アルコールの肝臓への影響

 

お酒を飲むと、肝臓はアルコールを分解してアセトアルデヒドを作り出します。しかし、その間は肝臓のもう一つの働きである脂肪の代謝は後回しになります。

 

これが続くと、肝臓に中性脂肪が溜まり過ぎ、ひどくなるとアルコール性脂肪肝になります。溜まってしまった脂肪は、実は肝臓を壊す働きを持っています。ですから、アルコールの肝臓への影響は、最初は脂肪肝として表れます。

 

脂肪肝の状態が長く続くと、肝細胞が障害を受けて線維化しアルコール性線維症が始まります。これがさらに悪化すると、肝臓が硬くなる肝硬変になります。肝硬変は放置し続けるとやがて死に至る怖い病気です。

 

肝臓は、「沈黙の臓器」と呼ばれ、症状がひどくならないと自覚症状が生まれません。肝硬変の初期段階くらいでは、肝臓の機能は正常な場合とほとんど変わらないため、ほぼ気づくことはありません。
この肝臓の状態に気づくためには、血液検査が一番で、γGTPという数値をみると肝硬変の程度に気づくことができます。

 

初期のアルコール性肝障害なら、1〜2週間禁酒すれば正常な肝臓の状態に戻すことが可能です。
また、アルコール性肝臓病を予防するには、週3〜5日の休肝日が効果的であるとの研究成果も発表されています(欧州肝臓学会発行「ジャーナル・オブ・ヘパトロジー」で、デンマーク・コペンハーゲン病院の研究成果)。

アルコール性肝臓病はお酒の飲み方が影響

 

研究でも挙げられている「休肝日」の効果には理由があります。個人差はありますが、アルコール10g(ビール500mgまたは日本酒1合)を分解するには4時間程度かかります。

 

睡眠時は、肝臓の代謝機能も低下しますから、飲んですぐ寝るとその時間はさらに延びます。その間、肝臓はずっと働き続けることになりますから、それが連日続くと障害が出やすくなってきます。

 

アルコール性肝硬変で死亡する場合には原因はアルコールの摂取量だと考えられてきました。しかし、コペンハーゲン大学の研究では、お酒の飲み方が問題だとわかってきました。
50〜64歳の男女約5万6千人のデータから、毎日アルコールを飲む人の方が、週2〜4回飲む人より、アルコール性肝臓病を発症する率が3.7倍に上ることがわかりました。また、50歳代にアルコールを飲み過ぎると、そのリスクは7.5倍になり、20代に飲み過ぎてその後節酒した場合には1.7倍にとどまりました。

症状がなくても定期的な検査を

 

肝臓は、異常が起きていても自覚症状が表れにくいので、お酒を飲むならば定期的な検査を受けることが望ましいです。

 

早期発見をするための検査は、血液検査でGOT、GPT、γGTPの数値を確認します。いずれも肝細胞に障害が発生すると血液中に漏れ出る酵素なので、この数値が高いと肝臓の異常がある可能性が高いと言えます。

 

一般に女性はアルコール性肝臓病になる人が少ないと思われがちですが、逆に女性は少ない量で肝障害が起こりやすいので、飲酒量が多いとやはり肝臓病の発症率が高くなることが研究成果からもわかってきています。